【パワハラ防止法】パワハラ親父必見、もうすぐ施行される「パワハラ防止法」を解説①

わたくしも最近知りました「パワハラ防止法」。

あまり知られていないかと思いますが、すべての企業でもうすぐ施行されます。

今回は「パワハラ防止法」の概要やペナルティや注意点などについて、最初は1回にまとめようとしましたが個人的に力が入りすぎ言いたいことがたくさんありましたので、2回に分けて解説させていただきます。

まずはその①といたしまして、「パワハラ防止法」の概要について解説させて頂きます。

 

 

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目次

「パワハラ防止法」を知ったいきさつ

先日書店を徘徊しておりますと、新刊の書籍に「パワハラ防止法」関連の書籍が並んでおりました。

恥ずかしながら、わたくしは「パワハラ防止法」を知りませんでしたので、手に取って中身を開くと2020年6月施行とありました。

あと2か月ではありませんか(2020年4月現在)。

以前パワハラを受けて転職した過去がありますので、他人へのハラスメントへの配慮は十分していたつもりですが、内容を知っておくのもビジネスマンの努めと思い購入しました。

 

参考文献

 

「パワハラ防止法」対応! 「職場のハラスメント」早わかり

布施 直春著

PHPビジネス新書

令和2年3月31日発行

 

厚生労働省HP

職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)

 

パワハラ防止法とは

概要

実際は「パワハラ防止法」という法律があるワケではなく、ハラスメント行為に関連して下記4法が改正されます。

・労働施策総合促進法

・男女雇用機会均等法

・育児・介護休業法

・労働者派遣法

このうち、いわゆる「パワハラ防止法」に該当する法律は「労働施策総合促進法」のみですが、それに加えてのこり3法も改正して各種のハラスメント行為への対応強化を図ることとしました。

このうち、今回は「パワハラ防止法」に特化して解説させて頂きます。

 

いつから

前述4法案の改正は2019年5月に成立し、2020年6月から施行されました。新型コロナウィルスの流行で話題にはなっておりませんが、実はすでに2ヵ月が経過しております。(令和2年8月15日現在)。

ただし、中小企業での実施は2022年まで「努力義務」として、実施義務規定は2022年4月1日からとなります。

ここでいう「中小企業」の定義は業種・資本金・従業員数に応じて異なります。

詳しくは参考文献または厚生労働省HPでご確認ください。

ただし、「中小企業だからあと2年は大丈夫」ではありません。今すぐにでもハラスメント対策を講じて早くはないです。

 

事業主及び労働者の責務

厚生労働省HPに記載があります、事業者及び労働者の責務を下記に記載します。

なお労働者とは、取引先の他の事業主が雇用する労働者や求職者も含まれます。

 

事業主の責務

・職場におけるパワハラを行ってはならないことやこれに起因する問題に対する労働者の関心と理解を深めること

・労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう研修を実施する等、必要な配慮を行うこと

・事業者自身がハラスメント問題に関する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うこと

 

労働者の責務

・ハラスメント問題に関する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に注意をはらうこと

・事業主の講じる雇用管理上の措置に協力すること。

 

事業主が講じる措置等

事業主には、職場のパワハラの防止や相談についての対策を講じる義務などが課せられました。

また、事業主に相談等をした労働者に対して解雇等の不利益となる取扱いも法律で禁止されました(不利益取扱いの禁止)。

 

パワハラとは

パワハラの定義

厚生労働省が発行したリーフレットより、職場における「パワーハラスメント」とは、下記3つの要素を全て満たすものとなっております。

①優越的な関係を背景とした言動であって、

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、

③労働者の就業環境が害されたもの

ただし、「客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については該当しません」となっております。

これって、結構あいまいなところですよね。

 

6つの類型と具体例

具体的には、厚生労働大臣指針(公示)によって、「6つの類型」が詳細に定義されました。

すなわち、下記の行為は国が「パワハラ」と明確に決めたことになります。

ただし、下記の「パワハラ行為」は、優越的な関係を背景として行われた行為であることが前提となります。

 

身体的な攻撃

・殴る蹴るなどの暴力

・相手に物を投げつける

 

精神的な攻撃

・人格を否定するような言動

・大声で威圧する

・長時間にわたる説教

・相手を誹謗中傷するメール等を他の社員に送付する

 

人間関係からの切り離し

・業務を外し、長期間にわたり別室で隔離

・集団で無視して、職場で孤立させる

 

過大な要求

・物理的に達成不可能なノルマを課す

・能力不足を知りながら、ノルマを達成しなかったことに対し叱責する

・私的な雑用の強制

 

過小な要求

・能力以下の業務のみ行わせる

・嫌がらせのために仕事を与えない

 

個の侵害

・職場外で継続的に監視したり、私物の写真を撮影する。

・機微な個人情報を、了解を得ずに他の社員に暴露する。

 

 

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罰則

会社として取組まなかった時の罰則

厚生労働大臣は、事業主から「パワハラ防止・相談等の措置義務」及び「不利益取扱いの禁止」について必要な事項について報告を求めることが出来る様になり、その際に報告をしなかったりウソの報告をした場合には「20万円以下の過料に処す」こととなっております。

簡単にいいますと「会社としてパワハラ防止を明確にしなさい。

さもないと20万円以下の過料ですよ」ってことです。

因みに「過料」は「罰金」より罪は軽く、刑罰ではありません。

それくらい軽いペナルティで済みます。

しかしながら、それよりももっとインパクトのあるペナルティが課せられる可能性があります。

 

会社でパワハラが発生した時の罰則

会社でパワハラ問題が発覚した場合、まずは厚生労働大臣または都道府県労働局長に勧告が行われ、それに従わなかった場合は「法違反事業主の公表」すなわち違反した企業の名前が公表されることとなります。

この意味、わかりますか?

日本全国に「わが社はブラック企業です」とレッテルが貼られるわけです。

会社にとっては存続の危機にもなり兼ねない重大なペナルティです。

国はここまでハラスメント対策に本腰を入れている証拠です。

 

会社はパワハラ対策が必須

ブラック企業のレッテルが貼られては、倒産の可能性まであります。

会社としては、今後どうしてもハラスメントに対する措置を講じることが絶対的な条件となるでしょう。

 

まとめ

今回はいわゆる「パワハラ防止法」の概要や取組み方や罰則について解説させて頂きました。

要するに、企業はハラスメントの無い環境を労働者に提供するといった風に、法律が労働者を守る方向へと移行し、今後もその方向へと向いていくと思います。

次回は、労働者目線で「パワハラしない対応」「パワハラされた際の対応」についての持論を解説させて頂きたいと思います。

 

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