土木設計に限らず、主に設計業務では図面を
パソコンで作成します。
副業や起業などでCADの導入を考えている方、
これからCADを学ぼうと思っている方、
土木系・建築系・機械系のエンジニアを目指している方に、
自分で導入するならといった観点でおススメのCADソフトを
3つ紹介します。
・JWCAD
・Auto CAD
・IJCAD
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CADとは
CADとは「Computer aided design」の頭文字を取った略語でして、
パソコンを用いて作図する設計支援ツールの総称です。
以前は図面といえば手描きが主流でしたが、
平成に入った30年くらい前にWINDOWSがOSとして
普及し始めた頃から各社でもパソコンが社員一人に1台の時代となり、
それに伴ってCADソフトが導入され始め、
今では手描き図面が全く見られなくなりました。
おススメCADソフト
JWCAD
・フリーソフト(無料)である
・マウスでの操作で初心でも簡単
デメリット
・他のCADソフトとの互換性が良くない
こんな人向け
・これからCADに挑戦しようと思っている方
・初期投資を抑えたい方
・CAD作図の頻度が少ない方
・JWCADを利用している勤務先の方
・色々なCADを操作してスキルアップしたい方
JWCADとは
JWCADは、パソコンがまだDOS版が主流だった頃から存在する、
日本人が開発したCADソフトです。
開発者の一人が公務員であったこともあり、
現在でもフリーソフトとして出回っており、
国内ではAuto CADに次ぐシェアを誇ります。
操作はマウスで簡単に
JWCADは機能が充実しており、
マウスでアイコンを選択することで簡単に操作できます。
また、クロックメニューといったアナログの時計を模したアイコンで、
操作を素早く実行できるショートカットメニューが特徴です。
このクロックメニューは自分でもカスタマイズすることが可能です。
操作が簡単ですしネットや書籍でも多くのテキストが
出回っておりますので、
CADに初めて挑戦する方でも独学で習得できます。
操作方法などJWCADに関する本はこちら
フリーランスや自治体で使用するケースが多いです
フリーソフトですので、どちらかというと個人事業主や
フリーランスでCADオペをされている方が使用している感じです。
逆に企業では社内の全員がJWCADを使用
しているという話は聞いて事が無く、
他社や役所から受領した図面データがたまにJWCADのために、
社内で使用するCADで編集出来るようにするための変換用として
導入している感じです。
また一部自治体発注案件では、成果品はJWCADでの納入で
あったりしますので、
必ずしもJWCADを使用しないということはありません。
他のCADソフトとの互換性が良くない
JWCADで作図したデータは一般的に
【JWW】といった拡張子で管理されます。
通常はJWCADで作図した図面データを、
他のCADソフトでそのまま使用する事が出来ません。
そこで、他のCADソフトでも使用が可能となる様、
データをその使用したいCADソフトに互換性がある拡張子、
または【DXF】や【SFC】といったある程度共通した拡張子に
変換する必要があります。
その互換性が、特にAuto CADとは特に良くない印象でして、
文字が化けたり線がどこか違うところにいってしまう現象が
多々起こります。
Auto CAD
・マウスとキーボードを使用して機能が豊富
・土木設計ではほとんどの会社が使用
・作図ファイルデータが壊れにくい
デメリット
・覚える入力コマンドが多い
・個人で購入するには高額
こんな人向け
・業界で主流のAuto CADを取得したい方
・これから土木設計に事業展開しようと思っている方
Auto CADとは
アメリカのオートデスク社が1982年から
発売しているCADソフトで、
使い易さと作図したデータの安全性から
トップシェアを誇るCADソフトです。
メニューを覚えれば機能充実
マウス操作での作図が基本のJWCADとは違い、
マウス操作に加えてキーボード入力を多用することで、
Auto CADでは多様な機能を搭載しております。
また、キーボード入力をカスタマイズすることで
マウスを移動してアイコンをクリックする動作が不要となり、
作図のスピードアップを図ることも可能です。
メニューが多いため、
メニューの位置と機能を覚えるまでに結構時間が掛かりますが、
覚えてしまえば操作性はJWCADを上回ることが可能です。
ですので、
一般的な基本操作で作図するJWCADと充実機能を覚えることで
作図速度を上げることが可能なAuto CADといった感じです。
土木系コンサルでは主流なCADソフト
わたくしが勤務している会社は、
転職前も転職先でも主にAuto CADを導入しておりますし、
土木設計業務では他のCADソフトで作図したデータを見たことが無いです。
土木設計業界でCADといえば、Auto CADが主流です。
覚えるまでに時間が掛かる
操作性でも解説のとおり、
マウスとキーボートのメニュー入力で機能が充実しているのですが、
キーボードメニューのコマンド入力を覚えるのに時間が掛かります。
また、マウスポインタの範囲や寸法線といった設定も
数多くカスタマイズ出来ますが、
逆に設定項目が多すぎてどこをいじれば良いかが難しいです。
価格設定変更で客離れ
いまから5年ほど前までは、それこそ土木設計で使用する
CADソフトはAuto CADが大多数でした。
それが、最近ではAuto CADを購入したといった話を
全く聞きません。
その理由が価格設定にあります。
従来は、永久ライセンスでAuto CAD2015が600,000円程度でした。
それが2016年からライセンスの提供方法を、
従来の永久ライセンスから、
1年間220,000円、
3年間594,000円の
サブスクリクションに移行しました。
となりますと、今までは60万円で購入すれば
永久的に使用出来たのが、2016年以降に購入したら
使う期間が長くなれにつれて高くなる価格設定になったのです。
この価格設定により、中小企業だけでなく大手ゼネコンまでも
Auto CADから別のCADソフト購入への意向が進んでおります。
操作方法などAuto CADに関する本はこちら
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IJCAD
・操作はAuto CADとほぼ一緒
・Auto CAD以上の機能がある
・低価格で永久ライセンス
デメリット
・Auto CAD同様に覚える入力コマンドが多い
こんな人向けに導入
・副業で図面作図をしたい方
・Auto CAD経験者
・Auto CADは高額と思っている方
・これからCADを習得して独立を考えている方
・土木設計を目指している方
IJCADとは
インテリジャパン株式会社が開発したCADソフトで、
2006年から販売されております。
IJCADの特長は、
Auto CADとの互換性が高くAuto CADのデータフォーマットを
そのまま読み書き可能な点です。
わたくしも使用しております
CADソフトのトップシェアであるAuto CADですので、
互換性の高いCADソフトももともと多数販売されておりました。
そこへ来て前述のとおりAuto CADの
サブスクリクション化に伴いまして、
最近では中小関わりなく大手でも多くの企業がAutoCADと
互換性の高いCADソフトへとシフトしております。
わたくしが勤務している会社でも、
AutoCADに変わるCADソフト導入の検討が急務となりました。
わたくしが先導して様々な汎用ソフトを試した結果、
コストパフォーマンスと操作性や機能性において
最も優れていたと判断してIJCADを導入することとなりました。
また奥村組やフジタなどといった名だたる大手ゼネコンでも
IJCADを導入していることも選定理由の一つでした。
魅力的な価格設定
IJCADの魅力は、何といってもその価格です。
永久ライセンスで機能が限定されているライト版が55,000円、
全機能が搭載されたPRO版が100,000円です。
因みにわたくしは、
そろそろ部下にCAD図面作成を任せたいので
ライト版を使用しておりますが、
普通に作図する分には全く問題がありません。
Auto CADと機能が同様かそれ以上で価格が
Auto CADの半年分であれば、
かなりコストパフォーマンスが良いです。
機能はAuto CAD以上
わたくしもIJCADを3年以上使用しておりますが、
Auto CADから移行した際の違和感は無く、
Auto CADの知識のみで問題なく操作可能です。
さらに、
汎用版の強みは従来製品を上回る機能を追加することで
付加価値を付けることです。
IJCADにある付加価値の中でわたくしがわが社への
導入を決定づけた機能が、
Auto CADには無かったPDFや前述のJWCADとの互換性です。
特にPDFファイルは、
例えばメーカーのカタログに描かれた構造図の
CADデータが無い場合には、
従来であればカタログを見ながらCADで入力していたものが、
カタログをPDFファイルにスキャンして図面データとして
読み込むことが出来ます。
CADを25年間 使っているわたくしにとっては
まさに夢のような機能です。
覚えるまでに時間が掛かるのはAuto CADと同様
操作方法がAuto CADとほぼ同じですので
、Auto CADと同様に覚えるコマンドがいっぱいあります。
操作方法などIJCADに関する本はこちら
まとめ
今回は、わたくしがおすすするCADソフトを
3つ紹介させて頂きました。
これからCADを導入する方の参考となれば幸いです。
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