【道路構造令の解説と運用】令和3年版の気が付いた改訂点をザックリと解説

土木設計の仕事

道路設計には欠かせない基準となる

「道路構造令の解説と運用」ですが、

前回改訂の平成27年版の発行から、

道路法の改正や最近の道路事情を

踏まえて、

令和3年3月に改訂版が

発行されました。

ここでは、

わたくしが改訂版を一読して

気が付いたことも含めて、

「道路構造令の解説と運用」の

改訂点を解説します。

 

設計車両の追加

平成30 年の道路法改正により、

重要物流道路に用いる

設計車両や建築限界の規定が

追加されたことを受けて、

設計車両が追加されました。

 

ダブル連結トラックの追加

前述の改正により、

道路構造令の設計車両の諸元を

超える車両は、

一部の重要物流道路において

一定の要件を満たすことを条件に、

特殊車両通行許可基準における

車両の長さが25mに緩和され、

1台で2台分輸送が可能な

ダブル連結トラック(フルトレーラー連結車)

の運行が許可されました。

これにより、

下記の示します項目などについて、

追加及び変更がありました。

 

・設計車両諸元

・建築限界

・駐車ます形状

・駐車ますの間隔

・特定車両停留施設

 

歩行者利便増進道路の追加

令和2 年の道路法改正により、

歩行者利便増進道路に関する

規定が追加されたことを受けて、

今回の改訂で「歩行者利便増進道路」が

追加されました。

 

歩行者利便増進道路とは

歩行者利便増進道路とは、

「歩行者の安全かつ円滑な通行

及び利便の増進を図り、

快適な生活環境の確保と地域の

活力の創造に資するため、

当該道路の歩道等に歩行者の滞留の用に

供する部分を確保し、及

び歩行者利便増進施設等の適正かつ

計画的な設置を誘導する必要が

ある場合に、

道路管理者が区間を定めて

指定した道路である。」

(本書抜粋)と定義されております。

要は、

「観光地や駅前道路などの

歩行者交通量が多い歩道や、

風光明媚な観光スポットや

お土産屋などで、

歩行者が立ち止まったり

混雑してもあふれない歩道を

検討しましょう」

ということです。

 

概要

道路管理者が区間を定めて指定した

「歩行者利便増進道路」には、

 

・歩行者の歩行空間及び

 滞留空間の確保

 

・歩行者利便増進施設等を

 設置する場所の確保

 

・歩行者の安全かつ円滑な

 通行の道路構造

 

を踏まえて、

歩行者が「居心地が良く歩きたくなる」

構造とすることが求められます。

 

自転車通行帯

最近ではよく見かけることが

多くなりました自転車通行帯。

平成31 年の道路法改正により、

自転車通行帯の規定が

追加されたことを受けて、

今回の改訂により「自転車通行帯」が

追加されました。

 

設置は道路管理者の判断

今回の改訂により

自転車通行帯幅員などの規定値が

定められております。

しかしながらご存知では

あるでしょうが、

自転車通行帯設置の動きは

道路法が改正される以前からあり、

その形状・幅員などは自治体で

まちまちなのが実情です。

さらに、現況道路に自転車通行帯を

設置するとなりますと、

決められた現道の道路用地内で

自転車通行帯の幅員を捻出することは、

かなり困難です。

ですので道路構造令の規定では

「ただし、地形の状況等その他の

特別な理由によりやむを得ない

場合においては、この限りでない」

とし、

「地域の状況等特別の理由により

やむを得ない場合には、

各道路管理者の判断により

自転車通行帯・自転車道・

自転車歩行者道および歩道を

設置しないことができる。」

と記載されております。

要は、

「道路構造令では規定するけど、

実際は道路管理者の判断で」

ということですね。

 

ボラードの設置

車両の歩道への進入によって、

歩行者への人的被害を与える

おそれのある区間には、

必要に応じて歩車道境界に

ボラードを設けることが

追記されました。

 

ボラードの種類

「防護柵の設置基準・同解説」より、

交差点の歩道部に設置するボラード

(車止め)の設置位置に応じた

2種類のボラードを使い分けるように

なりました。

 

H型

交差点部の横断歩道開口部

などに設置する、

車両の通行を阻害する目的で

車両の衝突に対して抵抗する

構造物(車止め)。

 

N型

歩車道境界や車道中心線など設置する、

車両の通行を阻害する目的で

車両の衝突に対して抵抗せず

グニャっとなる構造物(ポストコーン)。

 

車止め設置が追記となりました

今回の改訂は、

車止めの方が追記されております。

また、同書の解説には

「必要に応じて設けること」

でとどまっており、

実際の設置にあたっては本書と同じく

令和3年3月に改訂された

「防護柵の設置基準・同解説」

合本の「ボラードの設置便覧」を

参考することとなっております。

こちらも併せて参考として下さい。

 

細かいところ

登坂車線

第1種道路の登坂部における

付加追い越し車線について

「付加追い越し車線との関係」を

中央道の実例を交えた解説が

追加されました。

 

ラウンドアバウト

ラウンドアバウトの交通島を

歩道として活用した、

二段階横断施設の設置の考えを

解説した文章が追加されました。

 

インターチェンジ

高速道路の逆走や歩行者や自転車等が

誤って高速道路に進入する事例が、

最近ニュースなどでよく聴かれます。

この誤進入を防ぐための対策や、

インターチェンジで十分な減速を

促すための対策などといった、

インターチェンジにおける

安全対策についての解説が

追加されました。

 

自動運転補助施設

近い将来に自動車の自動運転の実用化が

実現するといったことが現実味を

帯びてきました。

これを受けて、

令和2 年の道路法改正により

自動運行補助施設に関する規定が

追加されたことを受けて、

今回の改訂から

「自動運行補助施設」

についての解説が追加されました。

 

まとめ

今回の「道路構造令の解説と運用」

の改訂により、

今までからの変更点も多くあります。

道路設計には欠かせないアイテムですので、

道路設計に携わる方は早期に購入して、

道路設計を行う際には、最新版の

「道路構造令の解説と運用」を

チェックしましょう。

また、この記事で解説した変更点は

あくまでもわたくしが一読して

気が付いた大きな変更点です。

その他にも変更点があると思いますので、

道路設計の際には、

その業務に適応する基準をあなた自身で

確認するようにお願いいたします。

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