【知らないと損】見やすい設計報告書の順序は「起承転結」ではありません。

委託設計には必ず

設計報告書を作成しますが、

その文章構成は「起承転結」を

意識して作成すると、

非常に読みづらい設計報告書となります。

設計報告書の文章構成は「起承転結」では

ありません。

見やすい設計報告書の文章構成を解説します。

因みに、この記事に少々このテーマに併せて

【仕掛け】を施してあります。

答え合わせは記事の最後の方でしますので、

文章構成を意識しながら読んで下さい。

 

目次

設計報告書は結果から書く

設計報告書は、結果から書くことが基本です。

何故なのかを解説します。

 

発注者が欲しいモノ

設計報告書の中身で発注者が一番知りたい情報。

それはまずはこの委託設計によって、

何を造るのかといった結果です。

擁壁設計であれば、

ここには何を造るかといった擁壁の工法と

どれくらいの規模になるかといった形状寸法です。

その次に、その工法や形状寸法となった

いきさつの前段である設計条件です。

そして、設計条件に基づいてどのようないきさつで

決定したかといった検討項目といった

順序になります。

 

発注者が欲しい情報順に並べる

であれば、設計報告書は発注者が

欲しい順に並べるのが一番見やすい訳です。

発注者は、その設計報告書に対して

知りたい内容の順番は、

結果→設計条件→検討となります。

これを「起承転結」の順序通りに並べると、

発注者が一番知りたい結果が一番最後となります。

それでは、発注者が結果を知るためには、

最後まで読むかページで結果が書いてある

ページを探すこととなります。

それでは発注者に対して不親切な

設計報告書となります。

発注者は設計報告書に、

文章構成より読み易さを当然ながら求めます。

 

設計報告書の作成時期

設計報告書は通常、

設計が終了して取りまとめる段階で

作成します。

一つの検討事項に対して

設計条件から検討・まとめまでの一連の作業を

設計段階でとりまとめてしまうと、

非常に非効率的です。

例えば擁壁の形状が決定したら、

その形状が設計箇所に適しているかを照査し、

問題が発生すればその問題を解消するために

再度検討を施します。

そして、全てにおいて問題が解消されるまで

検討は続けることとなります。

であれば、設計内容が変更する度に

一連の取りまとめ作業をしなければなりません。

ですので、設計報告書は全ての検討項目に

問題が無い状態での作成となります。

 

結果ありきでとりまとめ

そして、

結果→設計条件→検討項目の順番は、

作り手としても実は大変効率が良い順番です。

前述のとおり、設計報告書は委託設計を

取りまとめる最後の段階で

作成するのが一般的です。

となりますと、

設計報告書を作成する段階で

その設計結果が出ている訳です。

 

再確認しながら取りまとめ

そして結果を最初に書いておきますと、

それに向かって設計条件や検討項目を

取りまとめるので、

検討結果を意識しながら

設計条件と検討項目を作成する順序ですと、

一連の設計検討項目の再確認にもなります。

さらに設計検討を取りまとめている段階で

ミスや疑問点が生じた場合、

結果と設計条件を見比べながらの

調整が可能となります。

 

結果が後だと非効率

逆に、設計条件→検討項目→結果の順番で

設計報告書の内容を確認しながら作成した場合、

結果が出るのは最後となりますので、

最後の最後でミスが発覚することとなります。

設計報告書を作成するのは

委託業務の最終段階ですので、

さらにその最終段階で修正が発覚すると

再度全てがやり直しとなります。

非常に非効率でかつ、大ピンチに陥りやすいです。

 

設計報告書は「起承転結」では無い

学校で習いましたよね

学校で先生に

「文章は、起・承・転・結の順番」

習いましたよね。

作文や読書感想文などを書く際に

よく言われたかと思います。

 

設計報告書の内容を「起承転結」に当てはめる

「起承転結」の文章構成を、

設計報告書に当てはめてみますと、

下記のとおりとなります。

起→設計概要

承→設計条件

転→検討

結→結果、まとめ

 

「起承転結」の設計報告書は読みづらい

「設計報告書」は「物語」とは違います。

モノを同じテンプレート上に当てはめても

応用が利かないモノもあります。

設計報告書を「起承転結」を意識した

文章構成ですと非常に読みづらく、

そして実は作成側としても

作りづらい文章構成となります。

 

「起承転結」は物語の文章構成

あくまでも「起承転結」は、

物語形式の文章構成です。

物語を設計報告書と同じく

結果を先に書いてしまいますと、

推理小説だったら冒頭で犯人が

ばれてしまうことになります。

これでは、推理する醍醐味が台無しです。

これに対して、設計報告書は、

結果が一番知りたい情報なのです。

設計報告書を推理小説に例えるのであれば、

犯人を一番先に知ってから

その犯人が犯行に至った経緯を読み説いていく

順序となります。

となりますと、警察や検察が容疑者を検挙する

工程と同じになりますよね。

物語は、最初に話の舞台設定を説明しながら

ストーリーを展開し、

エンディングを迎える順序ですので

「起承転結」の文章構成で成り立ちます。

要は、

物語と設計報告書は相手が求める順序が違います。

 

答え合わせ

実はこの記事全体は

「結果→条件→検討」に作成しております。

それは、ブログ記事を読む方に

最適な文章構成だからです。

ただし、大見出し別に

【報告書は結果から書く】は、

設計報告書の同じ

「結果→条件→検討」

を意識した順序で、

【報告書は「起承転結」では無い】は

「起承転結」を意識した順序で

文章を構成しています。

違いが分かりましたか。

たぶん【報告書は「起承転結」では無い】

の結論である

「設計報告書は物語では無い」が、

最後まで読まないと分からなかったはずです。

この様に、資格試験の論文問題も

ブログ記事も「結果→条件→検討」を意識した

文章構成の方が、読み手に分り易い

文章構成となります。

 

まとめ

設計報告書は物語とは読み手の

求めることが異なります。

よって設計報告書を物語と同じ

「起承転結」の文章構成で説明するには

ムリがあります。

この違いを理解して、

設計報告書や論文などは、

読み手を意識した文章構成にしましょう。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次